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留年8年目の大学生日記

TOP OF THE FUCK'IN STUDENT

なぜ英雄は前進するのか

「To have or To be」

最近、20世紀のドイツの哲学者、エーリッヒ・フロムの著書「生きるということ」(出版:紀伊國屋書店、訳:佐野哲郎)を読んでいます。洋題は「To have or To be」です。

持つ(have)人生と、ある(be)人生との違いを説明している本です。

そのなかで、現状に留まる人(have)と、前進する英雄(be)との違いについて書いてある6章が面白かったので、ブログに残そうと思いました。

 

原訳は分かりずらいので、少し自分なりにアレンジして載せます。

 

前進しない理由

前進しないこと、現状に留まること、言い換えれば、

自分が持っているものに頼ることは、私たちを強く誘惑する。

 

なぜなら、持っているものは分かっているからである。
私たちはそれを固守して、それに安心することができる。

 

私たちは不確かなものの中へ足を踏み入れることを恐れ、それを避ける。
なぜなら、実際には、その一歩はそれを踏み出したあとでは危険に見えないかもしれないが、それを踏み出す前には、その向こうに見える新しい局面はたいそう危険に、ひいては恐ろしいものに見えるからである。

 

古いもの、試みられたものだけが安全である。あるいはそう見える。
すべての新しい一歩は失敗の危険をはらんでいて、それこそ人々がこれほど自由を恐れる理由の一つなのである。

 

 

人々が持つもの

赤子の時には、私たちは肉体と母親の乳房のみを持つ。

意識が芽生えると、母親、父親、兄弟姉妹、友人、おもちゃを持つようになる。

後に、知識、職業、社会的地位、配偶者、子供を取得し、

墓地を取得し、生命保険に入り、人生を持つ。

 

 

何も持たずに前進する人

英雄は、自分の持っているもの、土地、家族、財産、を捨てる勇気を持ち、恐れを抱かないわけではないが、恐れに屈することなく進んでゆく人たちである。

 

仏教のなかの英雄は仏陀である。

彼は、全ての所有物、身分、家族を捨て、執着を持たない生活へ進んでいく。

 

ユダヤ教の英雄はアブラハムとモーゼである。

 

キリスト教の英雄はイエスである。

彼は何も持たず、世間の目においては何者でもない。

 

ギリシア人の持つ世俗的な英雄は、

目標を、勝利や自負心の満足、そして征服することに置いている。

 

しかし、ギリシア人の精神的な英雄であるヘラクレスオデュッセウスは、

待ち受ける冒険や危険にひるむことなく前進する。

 

おとぎ話の英雄も同様に、

持つことによる安心を捨て、不確実さに耐え、前進する象徴として描かれる。

 

 

持つ人生の不安定さ

持つ人は安心感を味わっているが、実際のところ、彼も同様に不安定である。

彼らが頼る、金、威信、は自分の外にあるもの、である。

しかし持っているものを失ったら、彼らはどうなるのか。

実際、持っているもの、財産、地位、友人、そして人生さえも、遅かれ早かれ、必ず失われるものである。

 

 

もしも私が持つ者でしかないならば

もしも私が私の持っているものであるとして、

持っているものが失われたとしたら、その時の私は何者なのだろう。

 

たぶん、間違った生き方の証人として、憐れむべき存在以外の何者でもない。

 

ならば、それを避けなければならない。

 

必然的に、持っているものを失うことを恐れる。

泥棒を、経済的変動を、革命を、病気を、死を恐れ、

愛を、自由を、成長を、変化を、未知のものを恐れる。

 

かくして私は防衛的になり、頑なになり、疑い深くなり、孤独になり、身を守るために多くの努力を払うようになる。

 

 

あること、前進すること

ある人の安心感と同一性の感覚を奪うことはできない。

なぜならそれらは中にあるものだから。

 

あることは実践によって成長する。

 理性の、愛の、芸術の、知的創造の、すべての本質的な力は、表現される過程において成長する。

すなわち、前進することとは、ある人生である。

終わり

 

結局何が言いたいの!?

 

持つことによる安心はまがい物だよ。それは外のものだから。

本当の自分は中にあるんだよ。

英雄のように前進すれば、

所有物よりもずっと自分に安心をくれる勇気が中に入るよ。

 

ということだと思います、たぶん。

 

思い浮かべる英雄

このフロムの話を読んで、皆さんは誰を思い浮かべましたか?

自分はロード・オブ・ザ・リングアラゴルンです。

彼は王子としての地位や名誉、財産に固執することなく、

世界の光のために前進する存在です。

 

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ある人生とは?

フロムさんは、この本で「ある様式の人生」を目指すことを説いているのですが、

ある人生って何?少し分かりずらいです。

そこで、To be (あること)を To do(すること) にしてみると、理解が簡単です。

たぶん、ある精神の現実的で事実的な部分は「すること」になると思います。